ライトノベル 最後の空に見上げた空は レビュー

タイトル 最後の夏に見上げた空は 1〜3
著者 住本優
イラスト おおきぼん太
出版 電撃
発売日 2004年12月〜2005年8月


執筆者:jade 各巻評価:C→B→A
かつて起こった戦争に投入されるはずだった兵器「遺伝子強化兵」。
彼らは無理な遺伝子強化によって17歳の夏に死んでしまうという運命を背負っていた。
しかしながら、戦争の終結とともに彼らの存在意義は失せてしまう。
反乱を危惧した政府はものものしい塀と鉄条網、銃を持った警備員に囲まれた高校に彼らを押し込める政策を採る。
「遺伝子強化兵」最後の世代が16歳を迎えた、最後から二番目の夏。
それまでの記憶を失った強化兵の少女・小谷順子は編入先の高校の門をくぐる。
最後の日まであと1年───

ヒロインが“17歳の夏に死んでしまう”という設定から良作の匂いを感じましたが、いかんせん著者の力量が不足しており設定を生かしきれていませんね。
特にキャラの魅力を読み手に伝えるのが下手でなかなか感情移入できませんでした。
それから文章にやたらと“私”という一人称を使うため、全体的に堅さが見られて読み難かったのも減点材料。 1巻から進歩のあとがうかがえますが、文章力・表現力はやはり平凡と言わざるをえません。
新人ということを割り引いても力不足は明らかで正直次回作には手を出せないかなぁ…

それでも設定のよさが功を奏し十分読める仕上がり。
特に最終兵器彼女を思わせるラストは(オリジナリティに欠けると言わざるをえませんが)サイカノ&イリヤ好きの私にはグッとくるものがあり、最後に吐いた名門の弱音とそれに対する小谷の答えには涙を禁じえませんでした。
ラストシーンだけなら“S”を付けてもよかったんですが、多々ある欠点を考慮すると全体的な評価は中の上といったところですね。


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